社会

人工頭脳は人を幸せにする?

AIという言葉が出てから久しく経ちます。先日AIがこんな分野にまで使われていると思ってびっくりしたことがあります。

一般企業がお客さんにどういう対応をするのがベストなのか、それをAIに分析させるというものです。店員役もお客さん役も人が行うのですが、その会話を聞いてどのように接客応対すべきかを、AIが会話を聞きながら、総合的に判断するということです。

一見すると何も問題がないように思うかもしれませんが、想像して頂きたいのです。AIは生き物という概念もなければ感情も持たず、企業側に利益になる、この原則に基づいてアドバイスをします。

人工頭脳はコンピュータです。人の手を離れた膨大な情報が、人工頭脳にインプットされていき、プログラムに従い、機械的に判断されていきます。そしてそれが人々の判断、識別、メンタル、心の拠り所となっていく。

では人は何をするのでしょうか。機械と対極的に存在する人としての価値、心、精神、優しさ、許し、寛容さ、創造性、洞察力、インスピレーション、直感、こういった社会を人の社会たらんとしている拠り所は、どうなっていくのでしょう?機械で推し量ることはできない人間ならではの思考のゾーンがあります。

機械は白か黒で判断するでしょうが、人には膨大なグレーゾーンが存在します。それは人の感情、マインド、心、メンタル、スピリットの働きによる部分です。理不尽な部分を緩和する、人としての繋がり、社会の基本に存在するゾーンです。

人が人としての本質である中身を捨てれば、人は有機的ロボットになっていきます。人が拠り所とするものを自分ではなく、AIの中に見い出していけば、AIに使われるロボットとなってしまいます。

人間の文明から人工頭脳の文明へ人類は舵を取ろうとしています。感情や心を根底に持っているはずの人類にとってこのような時代は幸せでしょうか。今人類は大きな分岐点に立たされているように感じるのですが、誰も何も言うことなく、このままレールに乗って進み続けて大丈夫なのでしょうか。