社会

フランスに思う

先日フランスで起こった黄色いベスト運動について思ったことを書きました。黄色いベスト運動が収束する頃、あるフランス人が言っていたことが未だに頭に残っています。

政治家は傲慢で尊大で、私たち庶民を馬鹿者扱いにしてきた。800から900ユーロの年金で人らしく生きられるのかどうか、これ以上、人を馬鹿にしないでほしい。私たちは人の声をよく聞き、理解し、政治に反映できる人を求めているのだと、言っていました。

そのフランスでは、今アナログカメラが注目を浴びているようです。アナログカメラ専門店が流行っています。

アナログカメラのファンたちは、「写真をすぐ撮るのではなく、写真を撮るというプロセスを楽しみたい」「構図を定め、ライトを調整するなどして自分の撮りたい光景をそこに収める。それは料理をするというプロセスを楽しむのと同じさ」「デジタルは機械的で、人の心が入らず楽しくない」等と言っていました。

ポラロイドカメラも見直されているようです。「毎回不思議で意外なものが取れるポラロイド、その写真を待つことの楽しみがある」と利用者は語ります。アナログは、即効性と正確性を謳うデジタルと対照的なものです。

ところで最近、日本の電化製品も寿命が短くなったと感じてみえる方は多いのではないでしょうか。省エネ、エコといいながら、次々と新製品を売り出しています。

それは次々と商品を買ってもらわなければ企業の利益が回らなくなることを意味しています。そのため、チップが誕生してから、多くの電化製品が5年で寿命が切れるようにメモリーされていると言われています。

電化製品の大半はリサイクルできるものでなく、多大なゴミと化します。

とくにプラスチックゴミは人体のみならず、地球の生態系に大変有害であると世界中で話題になったばかりです。

そのためヨーロッパでは、各国政府が寿命の長い製品を製造する企業を税制面で支援する政策を取り始めました。

人を大切にする政治は豊かな社会を生みます。物を心をこめて使う、物を大切にすることは、心の豊かさに繋がります。どちらにも共通するものがあります。それは、便利さを追い求め続けるあまり、今の日本人が失いつつあるもののような気がします。

物があふれかえり、沢山の食べ物が捨てられていく日本、政治と国民がますます遠くなっていく日本、考えさせられるヨーロッパの動きです。