今年3月に、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんが、「若者は地球を生きる権利を守るために立ち上がろう」と世界中に呼びかけた結果、その運動は120カ国以上の国で若者を中心に広がりました。彼女は現在もその運動の主唱者として様々な国で活躍し、今回公の席で次のように発言したそうです。
「気象問題、環境問題は待ったなしです。私の言うことは無視しても科学的な事実は無視できません。企業と政治は結託して、対策を講じると言いながら、結局何もしていません。彼らは科学が伝えることを真剣に聞くべきです。」我が国にとっても耳の痛い言葉です。
日本は大変自然にめぐまれた国です。しかし、その自然も開発という名の下で、どんどん姿を変えようとしています。リニアの工事もどんどん進んでいます。この地震国の岩盤深くもぐらのように穴を掘っていったらどうなるんだろうと、素人の私でも空恐ろしくなります。
今まで各国で競い合って行った核の地下実験も地球に相当な圧力を生みバランスを崩させ、大きな地震へと繋がったりしたようです。
自然に最も恵まれている県の一つである岐阜の中津川に、リニアの駅を作ると聞いて、びっくりしたことがあります。地盤や環境悪化のことが頭を横切りました。そして先日、選挙に当選した議員さんが、緑あふれる岐阜県に大きなテーマパークを作りたいと発言していたと聞きました。
最近の日本、あまり旅行するわけではありませんが、たまによその地域に行っても、なんか似てるなぁと思うことしばしです。駅前、駅周辺、町並み、お土産さん、立ち並ぶ高層マンション、ショッピングモール、公園、テーマパーク、画一化しつつある日本の風景。
そんな今となっては最もすばらしいオリジナルのテーマパークは、未開拓の自然、原風景、そのエネルギーだと感じます。これこそが日本の宝だと思います。その日本の宝を私たちはどこまで手つかずに守ることができるのでしょうか。グレタさんの声がもっと日本の大人たちにも届けばと思ったりします。
東京オリンピックを前に、開発、開発とあちらこちらで忙しそうです。経済の減速が目に見えている中、高齢者が急速に増え、人口が急速に減少し始めた今、私には開発という言葉が、まるで過去の亡霊のように響いて聞こえます。ここまで来て、まだ環境を破壊し、自然を破壊し続けるのでしょうか。
今年は気候変動により地球全体の食料生産が減少しています。大地が乾いています。食料が足りなくなる時代が来る、本でもしきりに存在が伝えていますが、そこまで来ているような気がします。
日本は来年のオリンピックのことで頭がいっぱいかもしれません。今は飽食の国かもしれません。食べたい放題、飲みたい放題、こんな国はあまりないように思います。でも食料自給率をあげることに力を入れていません。いつまでも外国に頼れると思っています。
おまけに日本は地震国です。このまま自然に刃を向けた生き方を貫いていけば、大きな地震も待ってくれないかもしれません。現在、日本列島を支えている地核の電磁場も大きく動き、変化しようとしています。様々な形で、科学はその兆候をとらえ、分析し、情報として提供してくれています。週刊誌でもよく見かけます。
日本では目に見えないもの、すぐ形としてならないもの、不確かなものは無視しようとする傾向がますます強くなっている気がします。少し考えれば予想できる事でさえ、あえて無視しているかのように思われます。
グレタさんの言葉が別の形で心に響きます。「企業や政治家は、科学が伝えることを真剣に聞くべきです」と。