日常

バランス

最近、世の中のバランスがますます崩れてきているように感じます。それは政治、経済に始まり、私たちの日常に大きく影響しているように思います。

アメリカがつい最近、大企業へ課す税金を35%から20%に減税することを決定しました。これはものすごい数値だと思います。山ほど口実を並べても、莫大な利益を上げている人々に、更にすごいお金が残るのです。お金がダブっているところにさらにお金がダブっていく仕組みです。

大企業のトップからさえ、それは更に貧民を生み出す、これ以上、貧しい人を生んで欲しくないと大反対の意見も出たそうです。しかし、もともと金持ち出身の議員が多い共和党はほとんど賛成に回りました。

このアメリカの進みを、世界も日本が右に習えとならなければ良いと願うばかりです。

現代社会は経済、つまりお金、消費生活を中心に回っています。お金のある者は、物質がもたらすこの世の全ての良いものを謳歌でき、ない者はこの世の良いものから茅の外に置かれます。

こういった社会の経済アンバランスが進めば進むほど、苦しむ人が増え、ネガティブな感情を生み出し、事件が増え、世相は乱れ、人は互いの信頼を失っていくのではと思います。世相の乱れは、人のバランス感覚を麻痺させていくようになるようです。

例えば、食生活。しばらく前までは健康のために「バランス」を食生活の基本に考える人も多かったように記憶していますが、最近「おもてなし」の言葉の下でグルメが流行し、「おいしいもの」が中心となりました。

でも口においしいものイコール体に良いもの、バランスを取るものではありません。バランスを欠いた食生活は肉体ばかりでなく、メンタルや心の健康にも影響すると言われています。

そのようにバランスという感覚に立ってものを世の中を見ようとすると、普段意識しない世の中の違う側面が沢山浮き上がってくるように思います。

以前から気になっていたことがあります。明かり取りです。道路を歩いていると、あるところは幾つも照明が重なりまぶしいくらいなのですが、そこから少し離れると暗闇がかなりの間続いていたりして、危ないなぁと思うことがよくあります。どうして各地域の住民から苦情が出ないのかなぁと思ったものです。

立派な駅があります。観光地なのでとても立派なステーションビルが建ち、その下の地下街は照明で輝いていますが、こと駅前となると、薄暗く、バスターミナルに並ぶバス停の字も薄明かりでよく見えないのです。必要なところに必要な照明がいかず、目が痛くなるくらいの照明で輝いている場所も沢山あります。

また、毎年決まってある時期が来ると道路工事が盛んになります。まだ全然大丈夫なのに何故アスファルトを壊しているんだろうと思ったりします。

一方、この橋はひび割れしているけど大丈夫だろうか、通学路にあるこの崖は時々石が落ちてくるけれどもっとしっかり網を張らないと危ないのでは、この道路のセンターラインはずっと消えかかったままだけど危ないんじゃないか、と思うような所には誰も来ません。公共工事のお金のかけ方にバランスが欠けているように感じます。

世の中、バランス、そしてそれを生み出すバランス感覚が大切だと思います。宇宙全体は大きなバランス、調和の中で成り立っています。私たちに生きるために必要な一切を与えてくれる地球もバランスです。

その地球の上で暮らしている人類が作った社会が、バランスを大きく欠いた時、地球はバランスを取ろうと大きな動きを起こすように感じます。バランスは物質だけではありません。私たちが日々地球に放つ「想いの世界」のエネルギーもバランスに大きく関係します。

来年は2018年、これから2019年、2020年と日本も地球も、今までなかったことを色々体験していくのではないかと思います。

せめて自分ができること、自分の作るエネルギーがポジティブなものであるよう、心と体のバランスを取るように心がけながら、進み続けていきたいと思います。