日常

内なる自分を作る時代

最近、海外でも才能ある歌手が人々の脚光を浴びるようになったかと思えば、2、3年で姿を消すことがしばしばあります。舞台で突然頭が真っ白になり歌詞が出なくなったり、パニックになったり、突然舞台に立つことが怖くなったり言葉が出なくなることがあるようです。有名なベテラン歌手もそのために入院したりしています。

メンタルが過度の緊張、ストレスに耐えられなくなったからと言います。特に若い方に多いようです。ファンの期待に応えるため、ファンに納得してもらうために、いつも新しいものを探さなければならないと言います。

特にインスタやスマホの声を気にしている若いアーティストたちは、常に針のむしろの上にいるような心境ではないかと察します。問題は、彼らの多くはそういったプレッシャーに立ち向かう心の準備ができていないことにあると思います。

舞台から姿を消して、半年、1、2年休んで復帰する人もあるし、芸能界から完全にリタイヤする人もいます。ストレスから逃れるためにドラッグやアルコールに走り命取りになるアーティストも後を絶ちません。日本でも色々あるでしょう。

歌手、タレント、俳優などは沢山の人々の前に立つ仕事です。見る人は好意的な人々ばかりではありません。様々な思いのエネルギーが個人に対して向けられます。

特に最近は情報ネットワークが過度に発達し、大衆意識と一体化しているような時代です。昨日絶賛していたかと思えば、今日は無茶苦茶こき下ろしたりしています。普通のハートではターゲットとなる人はたまったものではありません。よほどの心理的、メンタルの準備、強さが求められます。

特に芸能にたけている人は繊細な感性やエネルギーを持った人が多いのではと察します。そのため才能を人前で発揮するには、自分を強くするために何かをすることが必要不可欠のように思います。

芸能界でも瞑想や座禅をしたりヨガをしたり、山歩きをする人を見かけますが、そういったインナーワークに取り組んでいる方は、ご自分の人生を、周囲に流されずにしっかり歩んでいる姿を私たちに見せてくれます。

芸能界ばかりではありません。アスリートの世界でも同じことが言えると思います。普段は素晴らしい競技をするのに、いざ本番となると自分の力をうまく発揮できない選手がいます。

練習をもっと積んでと言いますが、素人目でも試合の緊張に負けているように感じます。イメージトレーニングは普及しているようですが、肉体、技術面だけでなく、アスリートの心理的強化、メンタル強化を助けるセラピストやインストラクター、カウンセラーなど、選手の内側の面を扱う専門的トレーニングも導入したらよいのにと前から思っています。

個人的にはサッカーは興味ありませんが、有名なサッカー選手、クリスティアーノ・ドナルドは、少年時代から人一倍自分のメンタル、肉体を鍛えてきた選手だと言います。クラブでの練習だけでなく、毎日1500回の腹筋運動、重量挙げ、自伝車こぎなど、個人練習も毎日欠かさないそうです。

筋肉を維持するための食生活に気を配り、周りがアルコールで祝杯をあげている時もアルコールを口にしません。ほとんどの選手がこれでもかというほどの入れ墨をしていますが、彼はしません。体も家族も大事にしているようです。どんな時も自分の信念を貫く、日々の自己準備を完璧にこなす、それが彼の不動の自信に繋がっているようです。

今はエネルギーが変化している時代です。内なる自分を作る時代、進化の時代です。歌手、タレント、アスリートなど、どんな分野でもブレることなく自分の道を進み続けていくには、自分の内なる世界を強化する、働きかける何かをする事が必要な時代だと言えます。

最近、アスリートの活躍に勇気やエネルギーをもらうことがよくあります。彼らのメンタルの強さ、自己コントロールの力に感動することも少なくありません。三十代でも力を発揮するアスリートも多くなりました。

先日も「自分の進化を目指す」と断言したアスリートがいました。その自信に満ちた言葉に胸の奥から熱いものがこみ上げ、思わず心からのエールを送りたくなりました。